ATP-CP 
腕を全力で振ったり、ジャンプをしたり、100mを全速力で走ったりといった、瞬間的な爆発的な力は、有酸素や糖質の分解でも間に合わない。

このような運動に用いるエネルギーを、「CP」または「リン酸系」と称する。詳細に触れると、クレアチンリン酸によるATP合成という話になって難解となる為、ここでは省略する。

自転車においては、主に急激なスプリントや、急ブレーキ操作、トライアル種目でのジャンプなどが使用の中心となる。

このエネルギーは持続できる時間が大変短く、フルパワーで8秒とされ、その後は著しいエネルギー不足に襲われる。陸上の100m走では、最後までCPで走りきる事が出来ず、8秒程度経過した所で失速し出す。

このATP-CPは、グリコーゲンとは別のエネルギーであるため、例えば、面白い現象として、解糖閾にてLTポイントを上回るペースで走行し、次第に糖質が間に合わず力が著しく失われても、ATP-CPのエネルギーは別の為、これを使用する瞬発的な全力運動に切り替えると、失速が嘘のように猛烈な爆発力で足が動くという現象も起こる。

このATP-CPも、トレーニングを繰り返す事で、わずかに持続時間を延ばす事が出来る。陸上100m走でも、加速は良いがスタミナが早く切れてしまうタイプもいれば、持久力に優れ中々失速しない選手など、特徴が良く出る。

この瞬間的で爆発的な運動は、最も高出力となって体に強い衝撃を与える為、心臓が厚くなって高い血圧を出す事が出来る心肥大を起こしたり、強い負荷から素早く回復させる、代謝力の強化を起こす。
筋肉の瞬発的な強い力となる為、瞬間最大出力(最高速度)や、最大連続出力(10秒で進んだ距離)のエネルギー源として欠かせない。

!ポイント
・最大パワーを発揮するのはATP-CP
・持続できる時間は最短
関連項目
⇒スプリント
⇒ダブルアクセル
⇒山おろし