時間の作り方 
練習量は、割くことが出来る練習時間に依存する。
実際問題、市民ライダーに対し、実業団やプロとの実力差は、その才能よりも、トレーニングに割くことが出来る時間による所が大きい。いかに練習時間を確保するかは、意外に重要な項目である。

特に社会人の場合、日ごろ練習に使う事が出来る時間が少ない事が多く、不利である。学生選手やクラブチーム選手など、比較的練習時間を多く用意できる場合においても、練習時間を豊かにする事は非常に重要である。

ここでは、時間を作り出すチェック内容を挙げる。
  時間を作るチェック項目

1、日ごろの生活を見直す
分刻みで全く時間が空いていない人間の方が少数派である。本当に日頃の生活に無駄な時間は何一つ無いか、自分の生活スタイルを見直す所から、時間は生まれてくる。無駄となっている時間、効率の悪い時間、節約出来る時間などを洗い出してみる。特に社会人の「時間が無いから」という言い訳を封じる。もっと忙しいが、もっとトレーニングしている人は確実に存在する。

2、朝練と夜練
多くの人は、日中に勉強や仕事をしている。逆を言うと、朝と夜は比較的まとまった時間を用意しやすい。学生であれば、部活動は通常朝と夕、努力家であれば、自主的に夜も実施するだろう。これら時間帯が狙い目である。
朝の時間を有効にする方法として、起きる時間(と寝る時間)を、1時間早くずらす方法がある。朝活などといわれ、朝の時間を有効に使う方法として有効である。
夕方や夜の時間を豊かにするには、仕事などを長引かせない、後述するローラー台を活用する、などが挙げられる。

3、ローラー台を利用する
ローラー台は雨天や夜などでも、自宅で手軽にトレーニングが出来るので、本式で実施したい人は1台あると大変便利である。特に信号待ちがなく連続して走行出来るので、特に持久系の練習精度が高まる利点もある。

4、自転車通勤・通学を利用する
自転車で通学・通勤すれば、トレーニングメニューを実行しながら、目的地までそのまま走行する事が可能である。これによって、実質通勤・通学時間を無くし、それを練習時間に変換できる。
また、目的地までが近く、長い練習時間にならない場合は、その分通勤・通学時間が短いのだから、むしろ練習時間は確保し易いハズである。

5、重点日を決める
後述するが、トレーニングには休養が必要であり、練習量にもメリハリが必要である。目標レベルにも寄るが、毎日膨大な練習をこなさなくとも、数日だけ重点的に実施しても高い効果は得られる。
忙しい日は短時間で出来る練習をし、時間がある日には強めのトレーニングを実施するなど、日ごろの時間のとりやすさと練習のメリハリを関連付ける。

6、平日は無理だと決め付けない
特に社会人は、土日のみ運動を行なって、平日は最初から無理と決め付けている例をしばしば見る。前述の重点日のように、毎日必ず長時間必要なのではなく、平日の中で1日、練習が出来る時間を確保するだけでも十分高い効果は見込める。
特に当クラブでは、土日練習する場合、水曜日にも時間を作る事を勧めている(逆に言うと、水曜以外は休息日にしても良い)。

7、練習を分割する
まとめて連続でトレーニングをするのでなく、前述の、朝練、夜練のように、朝に1時間、夜に1時間などと分ける事で、比較的時間を作りやすく出来る。また休憩も入るので練習の精度も高まる。

8、無駄な練習を見直す
すでに練習を実行している際の、再評価として、練習自体に無駄な時間が存在しないか、確認することも重要である。特に、やたら量ばかり増やすのはメリットが無い。