トレーニングの負荷レベルは、以下のグラフのように、5段階に分かれる。これが正確に行なわれないと、特に持久系トレーニングに支障が出るため、正確に測定したい。
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負荷レベル
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心拍レベル(HRR)
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有酸素 |
1
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60%〜65%HRR
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2
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65%〜70%HRR
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3
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70%〜80%HRR
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無酸素 |
4
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80%〜85%HRR
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5
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86%HRR以上
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負荷レベル

負荷レベルは、1〜3は有酸素運動、4〜5は無酸素運動(解糖閾値)に該当する。
負荷レベル1 |
疲労代謝、運動前、運動後の体調管理走などに使用 |
負荷レベル2 |
インターバル中の運動負荷。体に負担が小さい。 |
負荷レベル3 |
有酸素の上限付近。積極的な有酸素能力強化に使用 |
負荷レベル4 |
解糖閾値の運動閾。高速走行の持久強化に使用 |
負荷レベル5 |
酸素摂取力や心肺系強化、疲労回復力の強化に使用 |
このうち、負荷レベル2は、インターバル(低負荷の運動で体を回復させる)中に使用する。
また、負荷5は大変心臓に負担が強い為、日ごろ運動をしていない人、強い運動負荷に慣れていない人は実行してはならない。年齢が高い人も避ける。状況によっては心房細動、しいては突然死の原因となる。
この各負荷レベルが自分にとって幾つに該当するのかを測定する為に、最大心拍数と安静時心拍数を測定し、式を用いて数値を計算する。
最大心拍数

最大心拍数は実際に測定するのはかなり危険なため、およそ、220-年齢で推測する。30歳の場合、220-30(歳)=190である。ただしトレーニング中に、その数値を上回る心拍を確認出来た場合は、数値を引き上げてよい(心拍計の誤差の可能性もあるため、十分に注意すること)。
安静時心拍数

・ 寝起きのまま横になり、体がリラックスした状態で最も低い心拍数を測定する。
安静時心拍数は、練習量が多すぎるなど体に負担が出ていると、数値が高く出るため、日ごろから測定しておくと体の疲労を確認できる。
HRR

安静時心拍数を0%とし、最大心拍数を100%とした基準である。心拍レベルは、このHRRの割合で指定する。
心拍レベルの計算

心拍の負荷レベルは、以下の式で求める。
心拍レベル%×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数
まず、最大心拍から安静時心拍を引き、それを心拍レベルで掛け、最後に安静時心拍数を足すことで求める。
(例)安静時心拍数が60、最大心拍数が190、心拍レベル60%の場合、
0.6×(190-60)+60
=0.6×130+60
=78+60
=138
この式を基に、負荷レベル1(60〜65%)に該当する心拍数を計算し、それを負荷レベル5まで行なう。
前述の例に記した数値を基にすると、心拍数は以下の通りになる。
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負荷レベル
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心拍レベル(HRR)
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有酸素 |
1
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138〜144.5
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2
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144.5〜151
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3
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151〜164
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無酸素 |
4
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164〜170.5
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5
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171.8以上
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なお安静時心拍数は、自転車の長距離種目においては、トレーニングと共に低下する事が通常の為、定期的に測定しなおすこと。
筋力の負荷レベル

筋力の力の込め具合については、1回屈伸させるのが限界の負荷(重さ)を100%とし、15回程度の屈伸が限界な負荷が85%前後、より何度も屈伸が可能な60%の負荷などと、何回屈伸(運動)させる事が出来るかで、掛かる筋力の負荷を%で表す。
%の数値が高いほど、運動できる回数が低く、%の数値が低いほど、運動できる回数が高くなる。
決して負荷40%は、40%程度しか力を込めないという意味ではないので、注意。
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