スプリント・集団テクニカル 
集団性が戦略を生む

 スリップストリーム


自転車は高速で移動する為、空気にぶつかりながら、これを掻き分けて進行する。
「平地力」の項目に、この抵抗の大きさを記している。

その自転車が走行し空気を掻き分けた直後は、一時的に空気が薄くなり、またその空気が自転車の後を追うように戻ってくる。そのため、自転車の後ろは追い風になり、空気抵抗が低くなる。この空気抵抗が低くなった状態を、スリップストリームと呼ぶ。電車の踏み切りで、電車が通過後に、その進行方向に向かって強い風が後を追うように発生する事を想像すれば容易に理解できよう。

これを利用し、先行する自転車の後ろに入る事で空気抵抗を減らし、少ない力で走行する事を、ドラフティングと言う。

ドラフティングは、当クラブの検証においても、40km/h走行時でおよそ心拍数を10bpm程度下げ、登坂時においても、時速20km/h走行時でおよそ3bpm程度心拍数を下げる効果が確認されている。

そのため、ドラフティングをして走行している選手は、そうでない選手より体力の消耗を抑え、かつ通常では走り続ける事が出来ない高速においても、走行が可能である。

このようなドラフティングの特性が、自転車競技において、集団での様々な戦略を生む原因となっている。

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